はじめに



美しき容姿と正しく優しい心で世界の平和を守る特撮ヒロインは男性にとっても女性にとっても憧れの存在。

そんな特撮ヒロインの中でも容姿・キャラクター像共に屈指の美しさを持つのがメタルヒーローシリーズ第8弾・機動刑事ジバンのもう1人の主役にして真のヒロイン・片桐洋子である。



ネット配信を通して過去の特撮作品を視聴し、自分好みのヒーローや世界観を探す一方であちこち目移りしながらも理想の異性像を追い求めてきたブログ主が最も恋焦がれたヒロインがこの片桐洋子でした。

最高の美貌と独自の見せ場を持ちながら男勝りな性格が僅かに理想を損ね、もう少しおしとやかな部分があればと感じていた前半視聴時。

しかし後半からはそんな彼女のメンタル面に重点が置かれジバンと共に戦う中で自然と女性らしい優しさを身に付けていく姿に好感度が上昇し、根底がしっかり描かれた事でむしろ普段の強気な態度も魅力を引き立たせて程よく調合。

そんな中で迎えた43・44話で彼女の他者の為に非力ながらも懸命に戦ういじらしき姿、容姿の美しさに引けを取らないその「生き様」の美しさに完全に心を奪われ、気が付けば生涯をかけて誰よりも愛せる至高の存在となっていました。

その後調べてみると、ブログ主の誕生日は片桐洋子を演ずる榎田路子さんとはちょうど30年と1日違い。
これも運命と信じて想いを貫いていこうと思います。

当ブログは連続写真で榎田路子さんの美しきお姿を追いながら片桐洋子の物語を解説していく所存ですが、対象エピソードはドラマとしての起伏がある8~10本分を予定しております。

ブログ主は撮影で使用された台本の収集も行っており、記事公開後に該当エピソードの台本を入手するなど内容に関して新しい情報が入った場合は適宜情報を追加して更新する予定です。

上記の通りブログ主は動画配信で榎田路子さんの魅力に触れた後年ファンであり、彼女を愛する気持ちには自信があってもジバン当時の事情についてそこまでの知識はありません。

作品製作に関わられていたスタッフの方々、当時ご本人と関わられていたファンの方々がおられましたら差し障りのない範囲でご教示頂けますと幸いです。

また、以前ツイートやDMにて上記2例に当たるお三方から大変貴重なお言葉を頂きました。その節は心より感謝申し上げます。


キャラクタープロフィール

片桐洋子(演・榎田路子)
セントラルシティ署に勤務する25歳の女刑事。
抜群の美貌と百発百中の銃の腕前を併せ持ち、悪の組織バイオロンと戦う機動刑事ジバンに協力。自慢の射撃で華麗に活躍する。
季節に合わせて様々な着こなしを見せ、非番時は時折自宅にてノースリーブのハイレグレオタード姿を、夏の海では赤ワンピースの水着姿を披露。
当初は気が強く無神経な部分もあったが戦いの中で命の恩人であるジバンに密かな理想と恋心を抱いた時、彼女の中で何かが変わっていくのだった……


5年に渡るグラビアアイドル活動のキャリアを持つ榎田路子さんの美貌は番組開始時から既に完成形。
毎回変わるオシャレな私服スタイルはそんな彼女の美しさを色とりどりに飾り、指輪とネックレスのアクセサリーの輝きが綺麗なお手てと美しい首元の色気を最大限に醸し出し、ミニスカートでのアクションは多くの男性を魅了する。

そんな完璧なルックスで展開されるヒロインドラマも秀逸。
80年代特撮ヒロインの物語は基本的に連続性よりも単発メイン回の積み重ねでインパクトを残すという手法がとられる事が多く、ある程度のパターン化によるキャラ性の確立はあっても主役回1本目で起こった変化や出来事が2本目や3本目の骨格に影響していく例は少ない。

片桐洋子の物語も中盤まではその例に漏れず、後半も従来通り「前回の主役編がなくともエピソード1本として成立する回」の積み重ねであるものの、洋子ドラマは前回を踏まえて観ると100倍尊い。

作品後半となる33話では共に戦うジバンと洋子に今まで敵として立ちはだかってきたバイオロン幹部マッド・ガルボが良心に目覚め組織を脱走したと訴えかけ、疑いを隠せないジバンとは反対に洋子はガルボが言葉通り改心したことを強く信じる。
その優しさこそが人の良心を利用してジバン抹殺を企むガルボの恰好の餌だったとはいえ、この出来事を通してジバンという理想を追いかけて従うだけの正義から脱却し初めて自分の意志で行動した洋子の内面に大きな変化がもたらされた。

34話ではジバンが強敵に敗北し彼女の目前で無惨にも大破して死亡。洋子は愛人の死に涙し、次回35話で強化して無事に甦ったジバンの勇姿を誰よりも喜ぶ。

続く36話では愛人と瓜二つな洋子に惚れるバイオ怪物・チャンバラノイドが登場し、ジバンとの決着の末に信念を貫いて自爆。異形な姿と異なる価値観を持ちながらも本気で自分を愛してくれた敵怪物の最期に、洋子は自然と涙してしまうのだった。

一見ありがちなこの結末も連続した展開によって、3話かけて優しさへの目覚めとジバンの死を経験したからこそ洋子はここで涙を流せたということを表現。
その連続性は43話と44話という別々の事柄の中で続けて描かれる一貫したドラマによって爽やかなラストで締め括られる。

愛する者にできたことが他者にもできること=万人への優しさに変わっていく過程を美しく描いた片桐洋子の物語は、ヒロインの魅力を通して人として大切なものを視聴者へ訴えかける崇高な愛と優しさのドラマだったのである。



また本作は主題歌の歌詞「だからこんなに命は重く 惹かれあう 強く」にあるように正義と悪の死闘を通して命の尊さを伝えようという意図が見られ、ジバン・直人がいつ果てるか分からない不安定な機械の身体を承知の上で戦う決意を固める場面でそのテーマの導入が伺える。

しかし不安定な命という設定は当初の脚本にはない追加案だったことも災いしてかそれ以降は活かされず、敵に敗れ戦死したジバンが復活する作品最大の山場もキャラの心情を鍵として感動の生命復活ドラマを描くのでなく神秘的な奇跡で甦らせてしまった事で、尊い命を噛みしめながら戦う儚いヒーロー像を目指していたのとは裏腹にジバンは不死身の戦士という印象付けに終わってしまう。

そこで命のバトンを引き継ぐのも片桐洋子。

これまで刑事としていつも生身の体を危険に晒し幾度も窮地に陥って来た洋子は43話でバイオロンのジバン討伐の駒として死の毒に冒される最大の生命危機に陥り、自分のせいで同じ毒に冒されてしまったジバンを救いたい一心で命をも投げ出そうとした彼女がジバンの奮闘によって一命を取り留める結末は生命の尊さと輝きに溢れた感動のラストとなる。

このエピソードで描かれた 過酷な世界を精一杯生きる洋子の儚さによって当初のテーマは方向を変えて洋子をもう1人の主役に置くことで貫かれ、傷つきながらも彼女を守り抜いたジバンのヒーロー像も「命を守る戦士」として一切の魅力を損なう事ない正主役ぶりを全うしたのである。

機動刑事ジバンという作品自体、本筋の迷走部分やアクション活劇としてのテンポの悪さなどは目立つものの、このように片桐洋子を主軸とした成長劇・心と命のドラマとして見れば本当に丁寧に作られており、彼女を守り抜くジバンのヒーロー像、そして正体を明かさずとも心を通わせていく2人の淡い関係性は絶品。

ヒロインは好きだけど作品は……という方も、当ブログを通して今一度ジバンという作品を、そして何より片桐洋子の美しき「生き様」に目を向けて頂けたら幸いです。


はじめに
機動刑事ジバン片桐洋子ファンブログ〜榎田路子を愛して〜

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