②ガルボに咲いた千年ハス

直人と共にパトロールをしていた洋子は、白い服の女がマスク達に追われている現場を目撃する。
洋子 「直人、バイオロンよ!」
女の一方的な窮地と思いきや、彼女は意外にも持ち前の格闘術でマスク達を軽々と叩きのめしていた。
しかし優勢は長く続かず、銃撃に出られると女もなす術なく追い詰められてしまう。

それを見た洋子は両腕を伸ばして銃を構え、
洋子 「警察よ、おとなしくしなさい!」
女を助けるべく行動に出る。


夏の暑さで露出した美しい二の腕を存分に堪能できる至福のサービス!!

マスク達はその言葉に反応すると即座に二人を狙い撃ち、二手に散ってその銃撃を避ける洋子と直人。
洋子 「直人、あたしが囮になるから、その間にあの人を!」
直人 「はい!」

洋子は女を逃がすべく果敢にマスク達に立ち向かい、敵の銃撃を上手くかわしながら的確に撃ち倒していく。
洋子の作戦に従って女を逃がす直人だが、新たなバイオノイド・ライギョノイドが女を狙って出現。直人はその攻撃の前に敗れ去ってしまう。

洋子 「直人―ッ!」
直人の身を案じライギョノイドに挑もうとするも、マスクの銃撃に阻まれてしまう洋子。
一命を取り留めていた直人はジバンへ変身し、女を守ってライギョノイドと対決。
洋子もマスク達との戦いにケリをつけると、

洋子 「おとなしくしなさい!」
ジバンを追い詰めるライギョノイドを颯爽と撃ち抜く。

それにしても、ピンと両腕を伸ばした射撃の構えが様になるいい腕!

ライギョノイドは洋子目がけて反撃するが、それを見た女は咄嗟に洋子を庇って傷を負う。
洋子 「しっかりして下さい!」
自分を庇って傷を受けた女を介抱する洋子。

ジバンもライギョノイドを撃退し女の方を見ると、2人の前で一瞬にして女の傷が跡形もなく消えた。
洋子 「あなたは……!?」
女  「……私は、人間じゃない……」
洋子 「えっ?」
女  「ジバン、私の本当の姿を見て」
言うや否や、女はバイオ怪物としての本性を現す。
洋子 「あっ!」
その正体は今までジバンを幾多の窮地に追い込んできたバイオロン幹部マッド・ガルボだった。
即座に女の姿に戻り、語りだすガルボ。
女 「正体を見せた以上、ここで倒されても仕方がない。でもジバン、1つだけ聞いて欲しいの。私の体の悪の遺伝子の中に、花の遺伝子が紛れ込んでいた。それはいつの間にか成長し、とうとう花を咲かせた。そして私は知ったのよ。この世には、憎しみだけでなく愛があることを、戦いだけではなく、平和があることを!」

洋子 「そんな、そんな事が……?」
洋子はその言葉を聞いてもバイオロン怪物に、まして幹部であるガルボに良心が芽生えたなど到底信じられなかった。
女  「私はもう、戦いはいや。この花が咲いていた故郷で、静かに暮らしたい。でも、ジバン、信じられないなら、私を撃って!」
それを聞いたジバンは、あろうことか1秒の迷いもなく即座にマクシミリアンガンを取り出し、冷徹にも女へその銃口を向ける。

憧れの存在であるジバンのそんな非情な姿を目のあたりにした洋子は、

たまらずガルボの前へ飛び出し、美しい両腕を広げて彼女を庇う。
洋子 「待ってジバン!」
洋子のそんな姿勢に一瞬の動揺を見せるジバン。

洋子 「あたしだって、信じられない。でもこの人は、あたしを助けてくれたわ。せめてもう一度だけ、チャンスをあげて!」

ジバンがガルボの言葉を信用せず非情にも銃を向けたことで、洋子がこれまで彼に対して想い抱いてきた理想のヒーロー像は無残にも崩れ落ちてしまった模様。

しかし、だからこそ洋子は自分が想い憧れてきたジバンの、ヒーローのあるべき姿を身をもって示した。
どんなに悪行を重ねてきた敵であろうと、正しく生まれ変わろうとする意志は尊重し、何よりまずはその言葉を信じてみなければならない、と……

今まではジバンの思い通りに動く頼れるサポーター止まりだった「洋子先輩」が、ジバンと並ぶ二人目の心正しき存在であり 最高のパートナー「片桐洋子」へと成長した瞬間である!


洋子の必死な訴えを受け、ジバンが銃撃を躊躇っていると、
女 「ジバン……私の故郷・千年沼で生まれ変わった私を見てくれれば、疑いも晴れるわ」
言い残して女は走り去って行く。
洋子 「あっ、待って!」
慌てて追いかけ周囲を見渡す洋子だが、女は既に姿を消していた。
そこへひっそりと変身を解除し、戻って来る直人。

直人 「洋子先輩!」
洋子 「直人! 大丈夫?」
直人 「先輩こそ。……あの人は?」
洋子 「千年沼よ。さあ急ぎましょう!」
二人はガルボが示した千年沼へと向かう。

洋子「直人! 千年沼はもうすぐよ!」
千年沼のすぐ近くまで辿り着いた二人の前に、山歩きの格好をした男がよろめき出てくる。
男 「千年沼に怪物が……子供たちが、捕まって……」
直人「えっ?」

洋子「直人! 急ぎましょう!」
直人「はい!」
子供たちの危機を知り、直人と共に千年沼へと急ぐ洋子。
それを見送った男の顔が邪悪な笑みに染まっていた事は知る由もなかった。

千年沼へと到着した二人は、
洋子「二手に分かれましょう。直人はそっち」
二手に分かれて捜査を開始する。


助けを求める子供達の声を聞き、ハッとして駆けつける洋子。
見ると、目前ではツトム、ユカを初めとする子供達が青い触手に絡まれ苦しんでいた。
洋子 「何て酷い事を……大丈夫?」

即座に子供達の触手をほどきにかかる洋子。
ユカ「お姉ちゃん、助けて!」
洋子「今すぐ、今すぐにね!」

育ち盛りの少年の目前でパンツの中を見せる態勢となってしまっても子供達の尊い命には代えられまいと必死でほどこうとする洋子だったが、

当然、触手は子供達に巻き付く分だけではなく……

洋子「あっ!」
千年沼の水面下に無数に生息し、何も知らずにのこのこと現れた とびきりの美人刑事の存在を感知すると、たまらず抱き……もとい、巻き付いてその首を絞め上げる。


洋子「ああっ……!」

薄着の美人刑事の触手ピンチ!!!!

本話初見時、ブログ主にとって この強烈なセクシー場面が次回のジバン敗北よりも遥かに大きな視覚的インパクトだったというのはここだけの話です……

洋子「ふっ……ううっ……!」
艶やかしくも何とか立ち上がった洋子は、

やっとの事で愛銃を取り出し、

自身を拘束するいやらしい触手を撃ち抜こうとするが……

水面から新たな触手が現れ、銃を撃とうと伸ばした右腕に絡みつく!

洋子「ああっ!」
命中させられずとも、直人へのSОS連絡の意を込めて空へ発砲する洋子。

更には茎から噴射される毒ガスも勢いを増し、絶体絶命の窮地に陥る。

触手さん! 左腕はまだ空いてますよ!!!
……と、思わず次なる触手に来てほしくなるほどの美腕を強調した名アングル。
自慢の射撃で日々 地球の平和を守る美人刑事の剥き出しの腕に絡みつく生々しい触手……



台本上ではこの後「ついに、銃を落とす洋子」「毒ガスに苦しむ洋子」という連続したト書きになっているものの、共にカットされた模様。
クライマックスの戦闘シーンが必要以上に長尺に感じる回なので、出来ればここにもう30秒くらい欲しかった……
それでも、このようなアダルティック場面を作って下さった脚本の鷺山さん・製作スタッフの皆様には心より感謝です!

育ち盛りの少年の目前で、色っぽい表情で悶え苦しんでいると……

ニチアサ8時からマズいですよ!というテレビ局からの使者……ならぬ、例の白服の女に扮したマッドガルボが現れ、洋子を苦しめる触手を外しにかかる。
女「洋子さん!」
洋子「マッドガルボ!」

女「今すぐ助けるわ!」
洋子「ふうっ……はあっ!」

助けが来てもサービスは終わらず、何とも色っぽい喘ぎ声!!

助けられているはずなのに、むしろもっと苦しそうなのがツボです……

バイオロン幹部としての怪力もあってか洋子の拘束はだいぶ緩まるが、
女「ああっ!」
洋子「あっ?」
今度は沼の中に潜んでガルボを待ち構えていたライギョノイドが姿を現し、ガルボに舌を巻きつけて動きを封じる。
ライギョノイド「ここは千年ハスの故郷、いやお前の故郷だ。ここではもはや、お前の力は出せまい!」
女「ライギョノイド、私はどうなってもいい。でも子供達を、洋子さんを助けて!」

我が身を犠牲にしても自分達を助けようとしているガルボの姿勢に深く心打たれ彼女の力になろうとするも、身動きがとれずにどうする事もできない洋子。

優しさと色気が同居した最高の表情!

そしてやはり、触手を掴んでいるお手てから指輪のオシャレ具合が強調されるのが最高です!
二の腕の露出と引き換えに指輪が目立たなくなりがちな恰好なだけに、上半身のアップが続くことで指輪の存在を上手く引き立たせている名カット。

それにしても、洋子の首に巻き付き、剝き出しの腕に抱き(巻き)付き、最後はその綺麗なお手てで握ってもらえる触手さんが作中屈指の美味しいポジション過ぎる……

ライギョノイド「知った事か!」
悲壮な訴えを聞き入れず、容赦なくガルボを沼の底へと沈めようとするライギョノイド。
洋子「マッドガルボ!」
未だ見動きのとれない洋子だったが、

颯爽と救援に現れたジバンが彼女を苦しめた触手を引きちぎり、子供達と共に無事助け出される。
洋子「ジバン!」

引きちぎられた瞬間のお手てはまだ触手を掴んでいた時の形のままなのが萌えポイントで、思わずギュッと握りたくなってしまうものです……

ジバン「さあ早く!」
あくまで「人」を守る事しか眼中にないジバンだったが、
洋子「ジバン、あの人を……マッドガルボを助けてあげて!」
洋子はジバンへガルボの救命を訴えかける。

洋子「マッドガルボは私達を助けようとしてくれたのよ……千年沼の故郷では、力が出せないのよ!」

ガルボを信じる洋子の一途な思いに心打たれたジバンは大きく頷く。
ジバン「子供達を、頼む」
洋子「分かったわ」

ガルボの事を聞き入れてもらい、最愛の男性に頼られて嬉しいという一瞬の笑顔を見せつつも……

洋子「さあ早く!」
次の瞬間には子供達にとっての「頼れるお姉さん」の表情に戻っている洋子。

この辺り、榎田さんが本気で役になり切られていると実感します。

ジバン「ライギョノイド、その人を離せ!」
ライギョノイド「まずお前から片付けてやる!」
洋子の見守る前でライギョノイドと戦うも苦戦するジバンだったが、それを見たガルボは思わず本来の姿に戻ってライギョノイドを倒してしまう。
すぐに女の姿になり、一瞬でも元の異形の怪物に戻ってしまった事を深く悔やむガルボ。
女 「もう二度と、戦わないつもりだったのに……」
それを見た洋子はガルボの元へと駆け寄り、優しく励ます。
洋子「あなたが悪いんじゃないわ」
女「洋子さん……」

だが次の瞬間、突然ガルボの足元が地割れをおこし、ガルボは地底に引き込まれそうになる。
女「ジバン、助けて!ジバン!」
洋子「ジバン、助けてあげて!」
未確認の危険要素が検出されていると知りながらも、洋子の信じるガルボを信じて救いの手を伸ばすジバンはガルボの手を掴み、洋子も美しい笑顔で安堵するが……

ジバン「あっ!?」
ガルボは山歩きの男の姿になる事で全て自分が仕掛けた罠だった事を明かすと、立て続けに本来の姿へ戻って嘲笑する。
洋子「マッドガルボ……!」
マッドガルボ「お前を信用させ、罠にかける為に打った大芝居さ!」
言うや否や、ガルボはジバンを地底深くへ引きずり込む。

洋子「ジバン……ジバン!ジバーン!」


揺れるネックレスが実に色っぽいです……!

引き込まれた地底のバイオ洞窟でガルボに追い詰められるジバンだったが、
ジバン「ここでやられたら、洋子さんや子供達はどうなる……?みんなの心の、愛と信頼を守るんだ!」
その想いを支えに攻撃を耐え抜き、度々現れる謎の悪女の介入によって隙が出来たことで地上へ脱出すると、信頼を踏みにじられた怒りを込めてマッドガルボと激闘。
必殺のダイダロスファイヤーを放ってガルボを退ける。

そこへやって来る洋子と子供達。
子供達 「ジバーン!」
洋子は愛しのジバンの生存に心からの笑顔を見せて彼の元へと駆けるが、

ジバンが背を見せて去って行くと、ハッとした顔になる。

だがすぐに目の前の喜びに立ち返り、
洋子「ジバン……生きていてくれたのね……」
ホッとして呟く洋子の目には、うっすらと涙が光っていた。


ジバンは頃合いを見計らって直人の姿に戻り、洋子の元へと合流する。
洋子「直人!」
直人「洋子先輩、ジバンは絶対にやられたりしません。バイオロンが、どんな卑怯な手を使ってきても!」
洋子「直人……」
洋子はその言葉に微笑むと、

左腕を伸ばして直人の肩を軽く小突き……
洋子「このお!言う事だけは、カッコいいんだから」

ジバンの前でいつにない優しさを見せた後、直人には くだけた一面を見せるギャップの魅力!!

直人「そうでした……」

子供達に向き直った際に見せる笑顔の美しさ!!

洋子の一途な思いは、卑劣なマッドガルボによって残酷にも踏みにじられてしまった。
しかし、この事件をきっかけに洋子は大きく変わっていくのだった……

            

  感想まとめ

機動刑事ジバン33話「ガルボに咲いた千年ハス」は片桐洋子が優しさに目覚め、12話以来動きのなかった彼女のヒロインドラマが本格的に幕を開けたエピソード。

今回の二の腕を露出した半袖白服スタイルは絶品で、ヘアスタイルの決まり具合も相まって記念すべき本話を最高の服装で迎えている。

ガルボを信じる一途な心の美しさ、触手に絡まれ悶えるお色気、締めには全てが終わった安堵感から直人に見せるお茶目な態度と 片桐洋子の魅力がぎっしりと詰め込まれており、洋子ファン歓喜の1作となった。


女性ならではの感性を活かし戦隊シリーズで「ゴーグルファイブ」から「チェンジマン」の4年間ヒロインの活躍エピソードを描いてきた鷺山京子が、本話で最大の開花を見せた。

ここまでの戦隊シリーズにおける鷺山脚本はメインライターの曽田博久が年々ドラマ性を高めていくのに対して、基本的には4年間一貫した単純明快な王道ストーリーを展開し、怒涛の展開を見せる本筋の前後に挟まれた鷺山脚本によるWヒロイン回はヒロインファンに向けた骨休めのエピソードという印象だった。

その後参加した仮面ライダーシリーズ2年間では勇敢に悪と戦うメインヒロインの活躍編は描かなかった鷺山氏が再び「Wヒロイン回」を描いたのがこのジバン33話。

Wヒロインと言っても本話は「バイオマン」「チェンジマン」のように二人の女戦士が絆を深めて悪を倒すという気持ちの良い物語ではなく、人の信頼を踏みにじるマッドガルボと その罠にまんまと引っかかって彼女を信じてしまった片桐洋子が一時的に力を合わせる偽りの友情の話である。

そんな後味の悪い本エピソードが秀逸なのは、洋子とガルボの対比を見事に描き切った点。
男にも化けた事で性別の意義を打ち消してしまったのは非常に惜しいとはいえ、今まで絵面のインパクト以外に特別女性キャラである意味がなかったマッドガルボが女性作家の手によって、自身が女である事を最大限に活かした作戦を実行する。
それに対して、今まで悪と戦い市民を守る事に命を賭ける正義感を見せながらも人間としては男勝りな性格が目立っていた洋子も、ジバンにガルボを信じて欲しい一心から初めて女性らしい一途で温かな優しさを見せる。
マッドガルボは女を武器に人の優しさを利用した結果、敵に眠っていた女性的な優しさを目覚めさせてしまったという痛烈な皮肉の効いた話であり、ガルボの「変身」が洋子の「変心」を生んだのである。


その洋子の変心過程も絶品。
ジバンを絶対的な正しい存在として慕い共に戦ってきた洋子が本格的なジバンのパートナーと言える存在になり得るのは、道を踏み外したジバンを一途な思いで正したからこそというのが深い。

ガルボの言葉を信じず何の迷いもなく銃を向けたジバンと、ガルボを信じて庇った洋子。
結果的に正しかったのはジバンの方だったものの、対バイオロン法の元にバイオロンと戦っているジバンの場合、バイオロン相手なら何をしても法を行使したで済んでしまう立ち位置はこんな時こそ恐ろしく、あそこで引き金を引いてしまえば冷酷な殺人マシーンもいいところである。

洋子の中の理想のジバン像はガルボを信じて助けようとする存在だったのに対し、実際のジバンはガルボを疑って銃を向けたことで、理想と現実にギャップが生まれた模様。
だからこそジバンはこうあるべきだと身をもって示した瞬間、洋子は理想を追いかけて従うだけの戦闘員を卒業し、自分の強い意思を貫く「個」の存在となり得た。
今までサポーター止まりだった「洋子先輩」を通り越し、ジバンと並び立つ存在「片桐洋子」になり得たのである。

今までジバンの姿でいても(本人がいない時は)「洋子先輩」呼びだったジバンが本話から「洋子さん」呼びを使い始めたのも、その大きな証明と言える。

ただ劇場版ではテレビに先行して「洋子さん」呼びが行われており、実際に展開の類似点から劇場版をベースに作られたと思われる本話でジバンが洋子さん呼びをするのは、映画での前例あっての事と思われる。

そのような制作事情を考えても、やはり洋子さん呼びはガルボの一件があってこそ初めて出たものと考えた方が展開として美しい。
「仮面ライダー対じごく大使(1972年)」の頃から劇場版はテレビ本編とは矛盾しているよく似た別世界として描く事も多い東映ヒーローワールドにおいては、劇場版ジバンは本編世界とは異なるパラレルワールドと解釈してみるのも一興である。


そして前回32話が優しさに溢れたゲストヒロイン・真珠が儚く命を散らす物語だった事も今回の尊さに拍車をかけており、図らずも洋子が真珠の遺志を受け継いだかのような展開になっている。
真珠を守れなかった直人が、ジバンとして戦う中で 今までそれなりの好意は持ちつつも職場の先輩としてしか見ていなかった洋子の等身大の優しさを目のあたりにしてどう思ったのか。
信じた相手に裏切られるという報われない結末ながらも、洋子と並んで歩きながらラストを迎えた直人の晴れやかな笑顔がその答えのように見て取れる。

なお、初稿ではジバンがガルボに銃を向ける場面はなく、本性を現したガルボの一人称は「おれ」で善人でなかったばかりか女性である事すら芝居だったと主張するかのような場面となっている。
製作スタッフ各位の変更判断によって実際の映像作品に仕上がり、このような名編となった模様。


また、鷺山氏がこうした形で本作へ途中参加出来たのは同時期の「仮面ライダーBLACKRX」終了に伴っての脚本スタッフの移行であり、元を辿れば1987年後期に活動休止期間を終えて復帰した鷺山氏が戦隊ではなくライダーの方へ参加出来たのは「仮面ライダーBLACK」で仮面ライダーシリーズが復活したからこその事だった。

榎田路子さんが「BLACK」放送開始を記念した特番「これが仮面ライダーBLACKだ!」でのレポーター役だった事を踏まえると、かつて応援したライダーBLACK・南光太郎から最大限の恩恵とバトンを受け取った結果とも捉える事ができる。

今回の洋子の台本にない1つ1つの細かい表情からも榎田さんが本気で役に入り込んでいる様子が伺え、受け継いだバトンもそのひたむきな姿勢あってこそ見事に成し得られたのである。


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